渡辺(質問)「埼玉県は今年度の新事業として、「新たな農産物需要創出支援事業」を始める。これは飲食店や流通業者の要望を県がヒアリングし、それをもとに、県内の農家にリゾット米やヨーロッパ野菜など付加価値の高い新たな作物を生産してもらう取り組みだ。
飲食店や業者からは、「個性のある食材がほしい」「安心安全の農産物を使いたい」という声がある一方で、その需要を農業者に伝える仲介役がいない。県は農業者にそのニーズを伝え、両者のマッチングを行うとともに技術や販売面でもサポートを行うとしている。需要を起点にした販路開拓支援であり、注目すべき取り組みと考える。
市としても、こうしたマッチング支援など、新たな切り口で農業を支援できないか。県から情報をもらい市内の農業者に情報を伝える仲介役として、連携していけるのではないか。」
市役所(答弁)「従来の視点とは異なる新しい取り組みとして、魅力的な政策と考えている。市としては県や農協と連携しながら、生産者と実需者のマッチングに向け、県の事業の周知を図っていく。また生産者の機械等の導入に際しても、県等と協力して支援をしていきたい。」
・市が描く将来の農の担い手像は
渡辺:「将来の農の担い手について伺う。地域農業の重要課題は、次の時代を担う目指すべき担い手像が不明確なことだ。昨年の一般質問の際に、営農の組織化や法人化について取り上げた。営農の組織化は地域の農地管理の観点からも、真剣に検討すべき事だ。農作業の効率化や、競争力の強化、持続的な農業展開にメリットがある。現実的な課題はあるが、まずは地域の農家の方々が組織化や法人化を議論するきっかけ作りと雰囲気作りが必要ではないか。市が後押しする姿勢も必要だ。白岡市は今後の農業の担い手像をどのように描いているのか。具体的な取り組みはあるのか。」
市役所:「市としては農地中間管理機構などを活用し農地の集約を図っていく。また営農の組織化や法人化を進めることは重要な事と考えている。昨年は県の主催だが、農業経営をテーマにした講演会を農家を対象に開催した。今後も地域農家の方々に法人化の情報提供などを行っていきたい。市としてはやる気のある新しい農業の担い手を育成し、必要な支援をしていきたいと考えている。」
====質問を終えて====
農業政策には多くの論点と課題があります。学べば学ぶほどその奥深さに驚くばかりです。農業は産業だけでなく、食料、防災、環境、文化など色々な役割があります。また福祉やまちづくりとも関係しています。まちづくりの面で言えば、「農業と都市は対立するものではなくて、融合し、補完し合うもの」という考え方が近年一層強くなってきています。白岡としても都市農業のメリットを活かした政策を打ち出すことが必要ではないかと考えています。これからも「自分が何を言うべきか」を踏まえながら、議会で農政について取り上げていきたいと思います。