夜明けをもたらした一人の女性 2016/6/25(土)
今日はコミュニティセンターでJAXAの廣瀬史子さんの講演会がありました。廣瀬さんは金星探査機「あかつき」の金星周回軌道への投入を成功させた女性研究者です。
ついこの間、安倍首相が施政方針演説の中で、一億総活躍の理想的な女性として廣瀬さんの話をしていました。
実は廣瀬さんは、篠津小、篠津中の出身で、就職するまで白岡市にお住まいでした。今日はあかつきの金星投入の舞台裏と、ご自身のこれまでの半生について講演がありました。
先に感想を言うと、凄く質の高い講演会でした。非常にためになる話があり、できれば学生の方々にもっと聞いてほしかったと思います。内容が充実していて、入場無料でしたが、無料で聞くレベルではなかったです。
地球の隣にある「金星」は地球と同じくらいの大きさ、重さの惑星で、双子の惑星とも呼ばれているそうです。この金星の周りに探査機を飛ばし、金星のデータを地球に送るのが廣瀬さんのミッションでした。一度は失敗するものの、5年後もう一度訪れるチャンスにかけて少しずつ軌道修正を行い、見事に再挑戦に成功されました。
この成功によって、金星の精細な写真撮影が可能になり、金星の大気構造や気象の解析が進むとともに、地球の気象学の分野も発展すると言います。雲の化学物質の解析など様々な研究に応用されるそうです。ちなみに金星を回る探査機はあかつきだけで、日本の探査機が、地球以外の惑星を回る軌道に入ったのは初めてとの事です。
また廣瀬さんの人生も不断の努力の連続です。ご自身のこれまでについて丁寧に語ってくださいましたが、その半生は、①まず興味を持ったことに飛び込む→②自分に足りないものに気付く(課題発見)→③解決策を見つける(成長)のサイクルが繰り返されています。あかつきの成功も廣瀬さんがこれまで切り開いてきた人生のサイクルの中にあるのだろうと思います。
謙虚な方で、特に誇張することなく淡々とご自身の事を語られていましたが、その言葉の端々に感じる「圧倒的努力」の影。話を聞いていて涙が出そうになりましたが、となりに議長が座っていたので、こらえました。
自分も宇宙は好きです。宇宙の事を考えると、日常のあらゆる事が小さく感じます。人類の歴史なぞ宇宙の歴史に比べればほんの一瞬だと思います。その広大な宇宙に挑む廣瀬さんのような科学者には心から尊敬の念を抱きます。今日は素晴らしい講演を聞けて自分自身への刺激になりました。