6月議会一般質問②新時代に合った消防団のあり方について 2020/6/22(火)
今回の一般質問では消防団について取り上げました。実は以前より消防団員の方々から消防団活動についてご相談を頂いていました。
消防団とは各市町村に設置される非常備の消防機関で、一般の市民により構成されています。(消火や救急などを職業として専門に行うのは消防署で、これは常備消防と呼ばれます。)
消防団の皆様は他の本業を持ちながら「自らの地域を自ら守る」という精神に基づき、消防活動にご尽力頂いています。昼夜を問わず市民の命と安全を守って頂いている消防団は市民の頼りになる存在です。しかし近年は全国的な傾向として団員の減少等が課題となっています。また団員の方々からは時代に即した消防団の在り方について考えてほしい、というご相談を頂き、様々な課題や改善案を伺いました。今回はその相談内容をもとに一般質問しました。その概要を抜粋してご紹介します。

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「当市の消防団の現状は」
渡辺の質問: 「当市の団員数とその推移は。また昼間に市外に働きに出ている団員や市外在住の団員の割合はどれくらいか?」
市の答弁:「令和3年度の人数は124名。(5年前は130名)そのうち39名の方は市外に勤めており、市外在住の方が3名いる。」
渡辺の質問: 「消防庁は4月、消防団員の報酬の見直しなど処遇改善を図るように全国自治体に通知している。当市の団員報酬を見てみると、近隣市・東部消防組合市町の中でも低い報酬額となっている。その事について市はどのように考えているか?」
市の答弁:「東部消防組合の市町村の中では2番目に低い報酬額となっているが、出動して放水を行った場合の手当は5000円と高い金額を設定している。今後の報酬額については近隣市町の動向を見ながら調査検討していきたい。」
「消防団の訓練について」
渡辺の質問: 「消防団員の方々からは形式的な訓練や・セレモニー的な大会よりも、より実践的な訓練を充実させていくべきではないかという声も頂く。消防団の技術向上や育成には市と消防組合が連携して取り組んでいく必要があると考えるが。」
市の答弁:「消防団の訓練については月例点検や車両点検などの実施に合わせてポンプ操法や消防職員の指導による器具取り扱い訓練などを行っている。」
渡辺: 「今後は大規模災害時における常備消防との連携訓練の充実等も必要ではないか。まずは団員の意見を聞き、東部消防組合と連携を図り、実践的な訓練の充実を図ってほしい。」

「新たな団員制度について」
渡辺の質問: 「近年は常備消防の充実が図られ、職員が火災現場に到着する時間が短縮している中で、消防団が消火活動を行う事も以前より少なくなってきている。消防団の方々からお話を伺うと、こうした事が団員の目的意識やモチベーションの低下に繋がっている場合もあると伺いう。しかし消防団の役割は消防だけではない。近年は災害が多様化・大規模化しており、もしもの時に頼りになるのが消防団だ。常備消防の手が回らない状況で、身近な消防団の迅速な対応が人命救助の成否に関わる。大規模災害時における消防団の活動の重要性は高まっている。
当市の30%の団員は日中、市外に勤務している。首都直下地震等の災害が日中に起こる事も想定すると、こうした時間帯に地域にいる割合の高い女性やアクティブシニア世代等にも消防団活動を担ってもらう事も考えられる。市民の中には消防団の基本団員としての活動は難しいが、大規模災害の時には力になりたいと考える方もいる。
こうした方々の参加を促すために『大規模災害団員』という制度を導入する市町村もある。大規模災害団員とは大規模災害の時に活動を限定した団員だ。制度を導入している市町村では若者から女性、アクティブシニアなど仕事や家庭の事情、体力的理由から消防団に入団できない方々が参加している。
これまで消防団に入れなかった方々の入り口になり、いざというときの災害対応力の底上げにつながる可能性があのではないか。こうした制度について当市の考えは。」
市の答弁:「大規模災害団員は大規模災害時におけるマンパワーや多様な人材の確保に繋がると認識している。例えば久喜市では消防団OBで構成される災害時支援隊が設置されている。白岡市ではこうした制度は導入していないが、大規模災害時における後方支援や応急対策支援など多様な役割が期待できる。他市町の運用状況を確認したうえで導入について検討していく。」
「消防団員へのアンケート実施を」

渡辺の質問: 「消防団員の方々とお話すると、報酬の事、訓練の内容、それ以外にも出動体制の在り方など、改善すべき点があるのではないかという声を頂く。市にはぜひ現場の意見を収集し、時代に合った消防団の在り方について検討していただきたい。そこで、一般団員の方々へのアンケートを実施できないか。団員の方々は消防団の活動に課題を感じながらも組織の中ではなかなか声を出しにくい場合がある。新しい時代に合った消防団の活動・運営の在り方について検討していくために、一般団員から意見を聴く事が必要ではないか?」
市の答弁:「消防団員へのアンケートは消防団運営に関する問題点や課題の把握、入団促進の取り組みにつながると考える。白岡消防署などと連携してアンケート調査を実施する。」