白山市の公共施設を視察 2015/7/28(火)
白山市は2005年の平成の大合併時に1市2町5村が合併して生まれた市です。約11万人の人口を有し、日本三名山の一つ白山など自然豊かな山々と日本海に囲まれています。
駅の周辺には朝顔を歌った俳人千代女の記念館や松任城跡などがあり、歴史を感じる街並みが広がります。
織田信長の武将・柴田勝家に攻められて落城したとされる松任城
今回は「公共施設の統廃合について」をテーマに公共施設や市役所を視察させて頂きました。
白山市は白岡市と比べると面積が約30倍あります。多数の自治体が合併して生まれた市であるために、類似する公共施設がたくさんあり、合併時には833、今でも812もの公共施設があります。(県内同規模の小松市と比較すると約2倍の数)
駅を降りるとすぐ目の前に見える市民活動の拠点「うるわし」。
市のシンボルマークは朝顔。緑のカーテンにも朝顔が使用されている。
市民工房や、スキー場、武道館など、立派な施設がたくさんあります。図書館も合併時には9つあったそうです。
白山の武道館。中もとても綺麗です。
白山市は合併後、持続可能な行財政運営を目指して、多数ある施設の統廃合や民間事業者への譲渡を進めました。そのまま残すものについても指定管理者制度の導入や管理費の精査を綿密に行い膨大な管理費の削減に努めたそうです。
その際は町内会や地域、各種団体などに向けて700回以上の説明会を行い細かく協議をされてきたそうです。
やはり老朽化による改修や耐震化など、公共施設はあればあるだけ財政負担も大きいので、どの自治体においても長期的な視野に立った管理計画というものが求められます。
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複合型の図書館
白山市にある松任図書館は白岡市の新図書館とコンセプトが似ていて、図書館機能と児童館機能、コンサートホールが融合した生涯学習施設となっています。
こちらも大変綺麗な図書館で、自習室や検索PC、レファレンスコーナなど充実した設備が揃っています。
書庫は地下にあり、2階は児童館になっています。児童館では授乳室や育児相談室などがあり子供向けの様々なイベントも開かれるそうです。
ビリヤードに興じる少年たち・・・。2階の喧騒は1階の図書館には届きません。
また主に子供向けの本が中心ですが、移動図書館も用意されています。
施設内には中庭公園やコンサートホールなどもあり、様々な目的での来館が予想され、複合施設ならではの利便性を感じました。
最近では新国立競技場の建設についても色々と話題になりますが、箱物づくりは本当に慎重に進めなければなりません。立派な施設がたくさんあることは確かにいい事なんですが、問題は管理、運営です。白岡市においても耐震性や安全面は勿論ですが、10年後20年後を見据えた施設方針、そして施設にかかる費用が財政にどれだけインパクトを与えるかも注視しながら計画を進めていく必要があるかと思います。